気と心 10

 だんだん考えているうちに、魂の夜明けが来ます。ああでもない、こうでもない、とだんだん考えてみて、どうも人間というものは、万物の霊長と言われるけれども、その優れたポイントは何か。ぜいたくをするためにこの世に出て来たのでもなければ、俺みたいに患わされるために出て来たんでもない。何か人間以外には出来ないことを人間にさせようがために、他の生物には持ち合わせない力を与えられて、その力があるがために、万物の霊長なんだな、と思った。だが、うかつに返事をすると、ぶんなぐられますからね、インドってェところは。
 しかしだんだんとわかって来た。人間はこの世に、うまいものを食いに来たんでもなけりゃ、好い着物を着に来たんでもなけりゃ、恋をしに来たんでもねェんだ。それは生きる場合の、ロイヤルロードの道筋にある出来事で、この世に万物の霊長として生まれ来しゆえんのものは、エベレーション(高める)という、造物主の目的に順応するためだ。
「なァ、お前、人間同士なら、使いを頼んで満足にしてくれなかったら、場合によっては免職にもするだろうし、命もとるだろう。しかし、造物主には慈悲がある。健康なり、運命なりの上に、お前の生き方は間違っているぞ、ということを警告するために、病だとか、不運だとかいうものが出て来るんだ。お前がこの世に生かされて、この後、生命の寿命が来るときまで、本性に立ち返って、エベレーションに順応するという気持の出るまで、お前に悟らせようという慈悲の心で、お前を病にかけた。どうだ、お前、幸福だろ。」
 そのとき私はね。いま話していても涙が出るくらい、声を出して泣きましたよ。

          




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