気と心 04

 そこで、これから観念要素の更改について話しましょう。これはまた、あなた方の多くが気がついていない。人間の心でおこなう、この、思考というものですが、心の表面では実在意識というものがおこなっている。しかし、人間が何事を思うにつけても、考えるにつけても、この心の表面の実在意識だけで、その単一な働きだけで、ものを思ったり考えたりするものではないのであります。実在意識の奥にもう一つ、潜在意識というものがある。俗に心の倉庫と言います。
 この中で思ったり考えたりするすべての材料が、観念要素と名づけられてはいっている。何かものを考えようとすると、すぐこの観念要素が、ひょいひょいと飛び出して来ては、実在意識となる。そして、その思い方考え方に、一連のアイデアを組み立てるのであります。
 この侵すべからざる大きな事実を、静かに考えてみると、人間の思い方考え方が、尊くなるのも卑しくなるのも、強くなるにも弱くなるのも、正しくなるのも清くなるのも、結局はこの観念要素の状態に左右されているということになる。
 そういうことに、たいていの場合、気がつかない。気がつかないどころか、中には、自分の思い方考え方の間違っていることに、同情している奴があるだろう。「こういうときに、こういう考え方をしちゃいけないかもしれないが、天風さんのように偉くなりゃいざ知らず、俺ャ凡夫なんだ。おまけに人の身の上じゃない。自分の身の上だぞ。これが怒らずにいられるかい。」そういって怒っている奴がある。
 真理というものは事情に同情してくれず、また弁護もしてくれない。「おまえの場合は別だから、まァいいわ、心配しろ。しようがないわな。そのかわり、体に障らないようにしておけ。」なんて言ってはくれない。事情はどうあろうとも、われわれの思い方考え方がすこしでも消極的である場合は、直ちに、われわれの生きる肉体生命のうえに、驚くべき、よくない変化が現われて来る。

          




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